masalabayashi's diary

好きな言葉は「名盤」です

今週聴いた音楽ズ 邦楽編

 

洋楽編に引き続き、邦楽編です。

これからは好きな順番に並べていきます。

 

 

Fine

Fine

 

 今春の解散ライブ迄にはベストとTenしか聴いたことが無かったが、その後 1st, 3rd を聴いた。 本作は私にとって4枚目であり、またキリンジにとっても4枚目のアルバム。

 第一印象は、堅い。キリンジらしく隙を見せない作品である。軽快なテンポの曲を厳しい演奏で引き締めている。その堅さから1周目はあまり好みでなかったが、耳にメロディーが馴染む2周目以降は気がつけば好きになっていた。ちなみに、調べてみると2曲目「雨は毛布のように」にはコーラスでaikoが参加している事が分かった。へぇー!

キリンジを語るときによく言われる「お兄ちゃんと弟くんのどちらが好きか。」本作では泰行さんが4曲、高樹さんが7曲の作曲を担当している。シンプルな音楽が好きな私には、どちらかというと弟さんの楽曲の方があっているように感じる。そこも含めて本作は非常に気持ちよく聴けました。嗚呼、名盤!

  

 

「てん、」

「てん、」

 

  やっぱり好きなクラムボン。唯一聴きそびれていた本作は、個人的名盤「Imagination」に続く6th。全体的に1曲の時間が長くなったが、それにもかかわらず1つの音にかける拘りは強くなっている印象を受ける。音の引き算、拍の正確性にそれが表れていると思う。

クラムボンのどこが好きか。おそらく、バンドの変遷であろう。ポップでキャッチーな青山系の1stや2ndから始まったバンドサウンドは、4th辺りから音響系へとシフトした。ちょうど私が音響系を聴き始めた頃に出逢えたので、ポピュラリティを残した音響系は非常に聴きやすかった。

その後もクラムボンは面白い音を積極的に取り入れている。レコーディングに関して私は全く何の知識も持たないが、相当な拘りを持つスタジオミュージシャンだろう。(もちろんライブも素晴らしい!)

本作の歌詞カードを見ていると、ドラムの伊藤大助さんの楽器に“udo”と書いてあった。まさか野菜!?と思って調べると、アラブ音楽で用いられる弦楽器らしい。そういえば、circle '12 という野外フェスにソロで来ていた原田郁子さんがそんな楽器奏者と共演していた気がする。あやふやだけど。

面白そうな楽器を取り入れてみて音楽の幅を広げようとする姿勢にはとても共感できるし、それを作品として纏め上げる力量には恐れ入る。それでいていつまでも変わらない愛くるしさを持つたぁ、クラムボンっちゅうのは本当にスケールの大きなバンドですね。

 

 

とげまる

とげまる

 

 

 スピッツである。スピッツはベストと1stしか聴いたことが無かったが、まるで魔法がかかったようなメロディーが印象的で好きなバンドである。

ポップソングは3分半ばが丁度良いという話を聞いたことがある。それ以上は冗長になってしまうと。本作は4分未満の曲が多く、もう少し聴いていたい気になるが、その僅かな物足りなさがポップソングの最大の魅力だろう。私は「捨て曲が無い」という表現を褒め言葉には思えないが、確かにそんな言葉が似合う良いアルバムだと思う。

 

あさげ - selected re-mix & re-arrangement works / 1

あさげ - selected re-mix & re-arrangement works / 1

 

  一昨年に急逝したharakamiさん。耳触りの良い独特な音が組み合わさり、まるで音が湧き出るような印象を受ける。Remixアルバムである本作は、なにより選曲が素晴らしい。素晴らしい原曲たちは完全にharakamiサウンドになり、新たな聴き応えを提供してくれる。エレクトロサウンドには感情の入り込む余地があまり無いため苦手だが、本作ほど歌があると聴きやすくて嬉しい。一時期感情を入れ込みまくった4「ばらの花」も、熱量こそ変わったが根本的な部分は変わらず、素直に好きだ。

ASA-CHANG&巡礼の音源を初めて手に入れた。彼らの「花」の歌部分を最初に聴いたとき、確かに気味の悪さがあった。おーこわ。しかし、印象に捉われずにしっかり聴くと、u-zhaanが奏でるタブラのリズムであったり、ただただ美しいストリングスが強烈に聴こえてきた。気味の悪さだけで敬遠するのは余りに勿体無い作品は音楽に限らず数多くあるが、彼らの音楽もその一種だろう。

そのような音楽の良さを丁寧に汲み取った本作は、あれ、聴けば聴くほど好きになっていくぞ…

 

  

小さな生き物

小さな生き物

 

  

またもスピッツである。今年の9月発売の新譜らしい。

しかし、変わらない。音も展開も、私の貧弱な耳では前作や以前からの変化を感じ取れない。前述のクラムボンとは正反対である。

変わることが良いとは言わない。ころころスタンスを変えるよりも、変わらないことの方がずっと難しいし、苦しいだろう。しかしそれ程まで音楽性を変えない理由はあるのだろうか。いつまでも変わらないことは、音楽を追求することを放棄した末の惰性とも受け取れるのではないか。

そんなことを考えていたが何度か本作を聴いて考えが変わった。スピッツは楽曲はポップであるがロックバンドなのだ。ロックバンドが変わらない事は意地かもしれないし、信念かもしれないし、私には分からない。ただ男が走ると決めた以上、周囲に出来ることはその背中を見守る事だけなのです。いやマジで。

  

 

以上、邦楽編でした。クラブW杯でゴールを決め、レッドカードで去って行くロナウジーニョを尻目に書いた、邦楽編でした。